ラルフローレンの2人の店員

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先日、銀座の三越に行ったんですよ。

 

イルミナティカードに描かれている
崩壊している時計台にそっくりな
何屋なのかよくわからない和光と

 

前衛的で斬新すぎるデザインの
コンセプトカーを展示していて
観光客ホイホイになっている
NISSANのショールームと

 

青い看板と円筒形のビルが特徴的な
全国に1124店舗あるドトールコーヒーの
頂点に君臨する最高級ブランド
「ル・カフェ・ドトール」と

 

“畳2枚分くらいしか無いのでは?”

 

と思わざるをえないくらい省スペースな
築地警察署銀座4丁目交番に囲まれた

 

おそらく日本国内でも
トップクラスに知名度が高く

 

「交差点オブ交差点」

 

と呼んでも過言ではないほど有名な
銀座4丁目交差点の東に位置する

 

泣く子も黙るキングオブデパートの
銀座三越に行ってきたわけです。

 

今回は

 

「ポロ・ラルフローレンのGジャンを
フィッティングしてサイズを確かめる」

 

という謎のミッションを拝命したので
散歩がてら行ってきたわけです。

 

僕自身、デパート自体は好きなのですが
日頃から頻繁に出入りして買い物を
する程でもないのでかなり久々に
足を踏み入れました。

 

駅直結の地下入り口から入って
すぐ右手にあるインフォメーションにいた
キングオブデパートの看板娘にふさわしい
黒木メイサ系の美人なお姉さんを
通り過ぎながらガン見していたら

 

最近は数が減ったと言われているものの
いまだに衰えること無いパワーを持つ
大量の紙袋を持った爆買いグループの
スクラムを組んだ民族大移動に巻き込まれ

 

流れに乗って店外に押し出され

 

近くにあるコインロッカーに詰め込まれ

 

旅行かばんからの脱出ネタを披露する
エスパー伊藤のようになるところでした。

(いとうだけに)

– – – –

爆買い中の旅行客団体のスキ間をすり抜け
エスカレーターで5階まで登り
目的地であるのラルフローレンに
無事到着しました。

 

店内をグルっと回ってお目当ての
Gジャンを探すも見つからず
近くにいた店員さんに声をかけました。

 

声をかけた彼は30代後半くらいの渋イケメンで
程よく日焼けした精悍な顔つきをしており
髪型から服装から靴までピシッと整っていて
まさにキングオブデパートの販売員に
ふさわしい見た目と物腰と言葉遣いの
ベテランの風格漂うグッドガイでした。

 

彼にGジャンの所在を尋ねると
今の時期は表の売り場には出ておらず
奥にあるので持ってきてくれるとの事でした。

 

待っている間に店内をグルグル周り、
百貨店で服を買う層の好みに合わせた
黒やグレーを基調としたシックな
アイテムたちを眺めていました。

 

人通り見て回って手持ち無沙汰だったので
近くに立ってチラチラとこちらを見ている
「何なりとお尋ねください」風の
表情をしていた20代半ばくらいの

 

元お笑い芸人で現在は俳優として
活躍している「アリtoキリギリス」の
石井正則(小さい方)に似ている
色白フェイスでムニュッとした印象の
販売スタッフの方(以下、石井ちゃん)に

 

「もうだいぶ寒くなってきたから
Gジャン買う人は少ないですよねー」

 

と尋ねてみたのです。

 

そうすると彼は
待ってましたと言わんばかりの勢いで

 

「 “いえ”、
重ね着を好まれる方なんかは
この時期でもお買い求めになりますよ」

 

と、いかにも

 

「いやー俺、お客さんのクエスチョンに
スパッとアンサーしちゃったなー!
くぅー!ナイスレスポンス、俺!」

 

という感じのしたり顔(別名ドヤ顔)
で答えてくれました。

 

その答えを聞いて僕が

 

「へーそうなんだー」

 

と思っていたところ、

 

ちょうど奥から渋ダンディな
ベテランのお兄さんがGジャンを
持ってきてくれました。

 

フィッティングをしてサイズを確かめながら
僕はそれとなくさっきと同じように

 

「もうだいぶ寒くなってきたから
Gジャン買う人は少ないですよねー」

 

というという問いかけを
ベテラン兄さんにも投げかけてみたのです。

 

すると彼は

 

「 “そうですね”
やはり今の時期はGジャンよりも温かい
冬物アウターを買う人が多いです。
しかし、中にはこの時期にも
お買い求めになる方はいらっしゃますよ。」

 

と答えてくれたのです。

 

このアンサーをもらった時に僕は
心の中でスパーンと膝を打ちながら
「さすが!」と思い

 

その場でベテラン兄さんを
一人胴上げしそうになりました。

 

見た目や物腰からして明らかに
ベテラン兄さんの方がキャリアが長く
販売成績も良いのが丸わかりなのですが

 

このたった一言のやり取りだけで
現段階では埋めることのできない差が
ベテラン兄さんと若い石井ちゃんの間に
ある事がわかったのです。

 

僕が発した言葉を受けて
若い石井ちゃんは「いや」という
「否定」から始まる返答をしたのに対し、

 

ベテラン兄さんは「そうですね」という
「肯定」からスタートして
その後に事実や自分の意見伝える、

 

という流れの返答をしました。

 

本当にたった一言の違いなのですが
この違いは信じられないくらい大きいです。

 

– – – –

 

コミュニケーションの極意の1つに

『まずは共感/肯定からスタート』

と言う鉄則があります。

 

なぜ、相手に対して返事をする時に
肯定から入る必要があるのかというと

 

人は誰しも言葉を発する時に

「肯定されたい、認められたい」
「否定/批判されたくない」

という願望を無意識レベルで
強く持っているからです。

 

小学生からお爺ちゃんお婆ちゃんまで
老若男女世界どこでも

基本的に人は肯定されたいし
否定されたくないのです。

 

褒めたり肯定してくれる人のことは
どんどん好きになっていって
なるべく長く時間を過ごしたいと
思うようになりますし、

口を開けば否定・批判しかしてこない人は
嫌われて周りからどんどん人がいなくなり
あらゆる人間関係の中でヴィレッジエイト

つまり“村八分“になってしまい
将来孤独死する可能性がグッと上昇します。

 

もちろん、何でもかんでも肯定して共感して
受け入れて自分の意見を一切言うべきでない
というわけではなく、

コミュニケーションを円滑に行い
自分の意見や正確な事実を相手に伝えるために
「肯定」や「共感」を武器として
意識的に使いましょうね、という事です。

 

「お前は間違っている」
「お前の方が間違っている」

という不毛な否定合戦を繰り広げていても
楽しさも嬉しさも湧いてきませんし
生産的な意見も出にくいです。

 

相手がどんなにアホで受け入れがたい事を
口走っていても、その人との関係を
大切にしたいのであれば

「そうだね、うんうん、わかるよ」

と言ってまずは受け入れる姿勢を示すと
相手もオープンハートな状態になり
あなたの意見にも耳を傾けるようになります。

 

人間関係がその瞬間に険悪になっても
別にOKというレベルの相手であれば
真っ向から否定して相手の意見を粉砕して
プライドもハートも木っ端微塵にするのも
ありだとは思いますが。

 

相手の言葉に対していきなり

「でも」
「いや」
「しかし」

という反対語の接続詞で切り出すと
相手はその瞬間に「否定された」と感じて
心のシャッターが閉まります。

 

ゴエモンの斬鉄剣でも切れない
ルパン三世も諦めるレベルの
分厚くて頑丈なシャッターが
安全靴のつま先の鉄カップを粉砕する勢いで
ガシャンと降ってくるのです。

 

不用意に発した一言で
その後の人間関係が大きく
変わってしまう場合もあります。

 

相手が言っている事が間違っていたり
トンチンカンな事を口走っていた時は
ついつい「いや、違いますよ!」と
言い放ってスッキリしたい気持ちが
湧いてくると思うのです。

 

一時的に「ズバッと言ってやったぜ!」
というドヤ感は味わえるかもしれませんが
長期的にトータルで見ると
損している可能性が高いです。

 

あなたの意見が正しければ
相手は一時的に論理的には
納得するかもしれませんが、

感情的には

「意見を否定された」
「間違いを指摘された」
「公衆の面前で恥をかかされた」

というネガティブなパワーが湧き上がり
敵意を向けてくるように
なる可能性もあります。

 

自分のことを否定してきた人を
好きになるのはなかなか難しいです。

 

言葉でなじられるのが大好きな
言葉責めフェチのドMの人でも
ダイレクトな批判はダメージが大きいです。

 

特に接客業では致命的です。

 

商品をただ買うだけならばほとんど全てが
通販で完結してしまうこの時代に
リアル店舗がこれまで以上に力を注ぐべきは

「お客さんとのコミュニケーション」

です。

 

いかにお客さんの好みを把握し、
お客さんの感情に寄り添って理解し
気持ちよく買ってもらって
何度もリピートしてもらうかは
全てコミュニケーションが鍵です。

 

ホリエモンは

「飲食店の究極の形は“スナック”」

と言っていました。

 

飲食店は料理を提供するのが仕事ですが
それ以上にお客さんと店員の間に発生する
「コミュニケーション」が
飲食店という業態においても
重要になってくるということです。

 

スナックの最大のウリはまさに
「コミュニケーション」であり
お酒やおつまみはオマケみたいなものです。

 

その場で生まれるコミュニケーションに
価値を感じるからこそ人が集まり
どの街にも存在する場末感溢れまくる
スナックでも生きながらえているのです。

 

飲食店でも洋服屋でもペットショップでも
オンラインでもオフラインでも
どんなビジネスでもコミュニケーションが
もっとも重要なポイントなのです。

 

むしろ

「ビジネス = コミュニケーション」

と言っても過言ではないでしょう。

 

どんなビジネスでも基本的には
人と人が価値を交換し合うスタイルであり
そこには何かしらのコミュニケーションが
発生するのです。

 

なので、どんなビジネスに取り組むにしても
コミュニケーション力の向上は
真っ先に取り組むべき項目です。

 

対面セールスもコピーライティングも
パブリックスピーキングもマーケティングも
最終的には相手に価値を伝える
感情を動かして行動させるための
コミュニケーションスキルの
1バリエーションでしかないですからね。

 

特に接客販売がメインの仕事の人は
コミュニケーション力の強化が必須命題です。

 

– – – –

 

相手の言葉に対して反射的に
否定形で返してしまう人は
ビジネスでもプライベートでも
人間関係でかなり損しています。

 

逆に「とりあえず肯定する」という
クセをつけておけばそれだけで
好感を持たれて人間関係が円滑に
進む可能性が高くなります。

 

何か言われたらとりあえず
「そうですね」の一言をはさみ
相手の言い分を肯定してから
こちらの意見を差し込んでいく、

という流れに切り替えるだけで
相手は好感を持ってくれるようになりますし
こちらの意見も受け入れる確率が上がり
会話の流れのコントロールもしやすくなります。

 

どんなに言いたい事があったとしても
正しい答えがノドまで出かかっていたとしても
ワンクッション置いた方が利益が大きいです。

 

このポイントを使いこなすだけで
相手が自分に対して感じる印象が
ポジティブなものになる可能性が高く

 

凄く好印象にならなかったとしても
少なくともマイナスになる事はないでしょう。

 

僕も実際、若い石井ちゃん似のスタッフには
好感も信頼も1ミリも感じませんでしたが、

ベテラン兄さんに対してはかなりの
好感を持ちましたし、

買い物するつもりはゼロだったのですが

「ここからここまで全部買います!」

と危うくマイケル買いを披露するところでした。

 

「共感」と「肯定」から生まれる

「この人は自分を理解してくれている」
「この人は味方だ!仲間だ!親友だ!」

という感情エネルギーは凄く強いので
ぜひあなたも意識的にコミュニケーションして
このパワーを使いこなしてみてください。

 

友達も増えるし売上も上がるし
良いことづくめになると思います。

 

それではまた!

 

いとう

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