“意味が分からない男”

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いとうです、

先日僕の家に

“意味が分からない男”

が来ました。

 

インターネットのモデム?の

保守点検をしている人で

メンテナンス?と言うことで

訪問してきたようです。

20半ば過ぎくらいで、運動系の部活に長く
所属していたであろう独特のスポーティな
雰囲気を漂わせる青年でした。

父親が話を聴く予定だったみたいですが、
タイミング悪く外出していたので
僕が代わりに対応することになりました。

彼は事務所のドアから入るなり、
挨拶もそこそこに

「こちらでご使用の機器が契約から
5年を経過したので点検のための
相談伺いに参りました」

とのたまい、機器の保守に関する
専門用語だらけの説明を始めました。

彼なりに頑張って伝えてくれるのですが、
その話の内容が…

まぁ〜、伝わらない。

というか、全く意味がわからない。

日本語を喋っているのはわかったのですが、
彼の発している言葉の意味が1ミリも
理解することができなかったのです。

最初は僕の解読力不足によるものかと思い
彼の発する言葉1つ1つを頭の中で咀嚼し
理解しようと努めました。

が、3分も経たずにギブアップしました。

途中でこのミスコミュニケーションの原因は
僕ではなく彼の方にあると気が付きました。

彼は「自分が知っている事は相手も当然
知っているだろう」という考え方をした
典型的なコミュニケーション弱者でした。

こちらの理解度は置いてけぼりで
勝手にどんどん話を進めていこうとします。

が、あまりに意味がわからないので、
普段温厚な僕もだんだんイライラしてきて
ついに彼の話を止めました。


「あの、申し訳ないんですけど、
話している内容が全く理解できないです。
もっとわかりやすくお願いします。」

保守マン
「え?そうなんですか?
では、もう一度説明しますね!」

と言って、彼は再び日本語によく似た
イントネーションで謎の呪文を
唱え始めたのです。
(それくらい意味不明)

この時点で少しウンザリしてしまって
「今すぐ帰ってもらおうかな」と
思ったのですが、彼なりに必至になって
説明をしているので、少しアプローチを
変えてみることにしました。


「ちょっと待って下さい。
相変わらず全く意味がわからないです」

保守マン
「はぁ。(頭をポリポリ。全く悪気はない)」


「どうにもあなたの話し方だと、
全体像も流れもポイントも掴めないです。

話をわかりやすくするために、
僕の方で順番に質問するので
それに合わせて内容を伝えてください。

ステップは4つ、

“なぜ” “なに” “どうやって” “今すぐ”

の順番です。

この順番で流れを組み立てると話が
とても伝わりやすくなるんですよ。

ではまず『なぜ』の部分からです。

あなたは”なぜ”うちに来たんですか?」

保守マン
「それは、ご契約いただいている機器の
メンテナンス時期が近づいたからです」


「なるほど、それはわかりました。

では次に、”なぜ”機器を定期的に
メンテナンスする必要があるんですか?」

保守マン
「メンテナンスの種類には2種類あって、
『まるごと交換型』と『定期積立』の
どちらかを選ぶことが出来ます」


「いやいや、まだその種類の話は先です。

焦って先に進めようとせず、
僕が聞いている事だけに答えてください。

もう一度聞きますね。

“なぜ”今この機器のメンテナンスを
する必要があるのですか?」

保守マン
「メンテナンスの準備をしておかないと、
突然機器が壊れた時に固定電話も
ネットも繋がらなくなってしまいます。

経費削減のために、機器の交換用の部品は
常備していないので、もし壊れた場合は
メーカーから取り寄せる必要があるので
修理までに早くても3日位かかります。

修理までの間、固定電話もネットも
全く使えなくなってしまいます」


「確かにそれは困りますね。

他に、メンテナンスをしないことによる
デメリットは何かありますか?」

保守マン
「機器の壊れ方にもよるのですが、
壊れた箇所がマズい場合、修理代が
10万円位かかるケースがあります」


「10万円!それは大きいですね。

そんなに重要性を感じていないパーツの
修理代に10万円払うのはバカらしいです。

では逆に、メンテナンスをしておくことの
メリットはありますか?」

保守マン
「そもそも故障の確率をかなり抑えられたり
壊れてもすぐに交換に伺う事が出来ます」


「なるほど、それによってネットや電話が
使えないストレスや機会損失のリスクを
軽減することが出来わけですね。

他に、費用的なメリットはありますか?」

保守マン
「『まるごと交換型』を選択していただくと
毎月のリース費用が少し安くなります。」


「少しってどれくらいですか?」

保守マン
「だいたい2000円くらいですかね」


「そういうのを早く言ってください。

メンテナンスがどうのこうのとか
面倒くさい事よりも、先に具体的な
メリットとデメリットの事を聞かないと
話を聴く気がなくなりますからね」

保守マン
「そ、そういうものなのですね」


「みんなそんなにヒマじゃないので、
得する話か損を避けられる話じゃないと
耳を傾けてくれないですよ。

で、次は“なに”の部分です。

そもそもメンテナンスとは何なんですか?
この機械の特徴は?想定使用年数は?」

保守マン
「それはですね…」

と、彼はこの“なに”の部分に関しては
かなり強いパッションを持っているらしく
目を輝かせながらペラペラと話続けました。

。。。

〜 中略 〜


「なるほど、じゃあ最終的に今の段階で
僕が取れる選択肢はこの3つで、
それぞれにメリットとデメリットがあって
それを踏まえた上でどれか1つを
選べばいいということですね?」

保守マン
「はい!そういう事です!」


「わかりました。じゃあ今回は保守も
メンテナンスも一切無しの3つ目の選択肢
『放置』でお願いします」

保守マン
「ええ〜!そんな〜!」


「まぁまぁ。それより、今後同じように
お客さんのところを訪ねて回っていくなら
今回と同じ流れで話をしていけば
話の内容がしっかり伝わると思いますし、
セールスの成約率も上がると思いますよ」

保守マン
「“なぜ・なに・どうやって・今すぐ”
の順番ですね!
しっかりメモに書きました!」
早速実践します!」


「それは良かったです。それじゃまた。」

– – – –

という感じで、図らずもセールスマンに
セールス(と言うかコミュニケーションの)
トレーニングを施すという一幕がありました。

今回彼に伝えた内容は

『4つの学習タイプ』

と呼ばれるもので、どんな人でもこの順番に
当てはめて話をすると、とたんに誰でも
話し上手になる”魔法のテンプレート”です。

この『4つの学習タイプ』はハーバードの
天才学者が発見したと言われている
由緒正しい権威ある理論でもあります。

人間の心理には本当に色んなパターンが
あるのですが、学習や教育、物事に対する
理解や解釈などに関して言えば、
おおむねこの4つに大別されます。

– – – –

【なぜ】の部分が強いタイプの人は
「なぜそれをする必要があるのか?」や
「やるメリット」「やらないデメリット」
など、理由や必要性を知りたがります。

【なに】の部分が強いタイプの人は
歴史や詳細なデータ、科学的な証拠など
「それは一体何なのか」「どういうものか」
という概要の部分に注目する傾向にあります。

【どうやって】の部分が強いタイプの人は
やり方、方法論、細かいテクニックなど
具体的なアプローチにこだわりを持ちます。

【今すぐ】の部分が強いタイプの人は
とにかくすぐにアクションを起こして
現実に落とし込む事にフォーカスします。

– – – –

この4つの中でみんなそれぞれ1つか
2つが特に強く出る傾向にあります。

僕の場合は「なぜ」と「どうやって」が
特に強いので、何に対しても理由や必要性、
メリット&デメリット、具体的なやり方が
気になって仕方がない性分です。

多くの人はこういうタイプ分けの存在すら
知らないので、無意識の内に自分のタイプに
偏ったコミュニケーションをしがちです。

会話の際にどちらか片方が知ってさえいれば
知っている方が相手に合わせることで
何とかコミュニケーションは成り立ちます。

が、どちらも知らない場合は悲惨です。

一応会話の体は取っているものの、
コミュニケーションは摩擦だらけであり
正確な意思の伝達はかなり難しくなります。

「なんかこの人の話、わかりずらいな…」

「俺の言ってる事、聞いてはいるようだけど
本当にちゃんと伝わってるのか?」

といった考えが無意識の内に浮かび上がり、
「この人とは噛み合わないな」と感じます。

一度でもそう感じてしまった人と良好な
人間関係を構築していくのは至難の業です。

今回、かなり久々に全くと言っていいほど
話が噛み合わない人と出会ったことで、
改めてこの学習タイプの重要性を
認識することが出来ました。

同時に、学習や教育、コミュニケーションに
関するマインドやテクニックなども
もっと広めていく必要があると感じました。

教育やコミュニケーションに関しては
僕はここ数年の間に驚異的な密度で専門的に
学習をしてきましたし、実際に数々の
教育ビジネスの立ち上げや運営に携わり、
たくさんの経験をしました。

これからはその経験の中で学んだ知恵を
アウトプットして行こうと考えています。

一人ひとりがコミュニケーションや教育の
スキルを身に着けて向上して行く事で
良い知恵がより良い形で広まり、
より進化した人々が増えていく事になります。

強く賢く進化した人が増えていけば、
政府や大企業も国民を騙せなくなりますし、
相対的にリーダーの質も上がるでしょう。

子どもの教育に関しても、学校に丸投げで
教師に外注するのではなく、親がしっかりと
必要な知識や価値観、生きていくための
スキルを伝承できるようになります。

僕も娘に色々な事を教えてあげたいので
これからもスキル磨きに励んでいきます。

それではまた!

ちゃお!

いとう

追伸1:
後で話を聞いたところ、保守マンから最初に
電話で連絡が来た時に父が会話したのですが
あまりに意味がわからず頭に来たそうです。

理解できなかったのが僕だけでなく
少し安心しました、笑

追伸2:
本格的な教育テクノロジーについては
メルマガで配信していく予定です。

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